すなのような冒険

今日も紅葉を見にドライブに出かけた。

おやつと簡単なお弁当と温かい麦茶を持って。

 

まず最初に着いた山奥の公園は誰もいない。

そこに着くまでの林道は紅葉がすばらしくて、

左右に光と紅葉の鮮やかな色が囲み、すすきが間から顔をのぞかせて

明るい道だった。小さな川について、川面の傍で耳を澄ましていると、

本当に癒される。誰もいない。

熊さんが出てくるかもしれない。それでもいい。

強く風が吹くたびに、黄色い葉の雨やヒノキの茶色い葉が川に受け止められに行く。

まるで喜んでいくかのようにみえた。

空は近く感じるし、雲の流れは速く感じる。

空は青くて彩度が明るい。

川面が光って岩や石に光の波が移り、

わたしの影とかさなるとさらにその波はくっきりと姿を現す。

その絶え間ない揺らぎの美しさ、光の浮き上がる様子に、

いつまでも見ていられるくらい感動した。

光の入り方、石の模様、川の波の揺れ方、いろんな条件によって

揺らぎの移り方は異なるのだ。

わたしの影がかさなることで、それが強く現れるのだ。

こんなに神秘的な気持ちを感じたのは、本当にそうそうない。

神秘の権化だ。

ハートの波動がみえるとしたら、もしかしたらこんなかんじじゃないだろうか

などと、勝手に考えてみる。

でもそのくらい陶酔しきっていた。

私が絶望の時も、小さな成功の時も、いつも絶えずこの揺らぎがあったのかも

と思えるだけで、どんなことも深刻にとらえなくてもいいような気がしてくる。

 

光と陰と影に十分満足したら、

もう少し遠くまでドライブしたくなった。行ったことのない道、町へ。

標高が高い村の産直所で、みつろうのアロマクリームを 自分に買ってあげた。

そして、道路わきや神社のオレンジや赤の鮮やかな色に圧倒されつつ、

また見たことのない景色を運転席から見た。

なんだろう、あの山々を南に見晴らした時の気持ち。

江戸時代でもない昭和初期でもない、ここはどこ私は誰状態に近い気持ち。

地球も日本もいろんな顔を持ちすぎている。

新しい景色は、いつも時空を飛ばしてしまう。

天空の里と呼ばれるような集落だった。看板にそんな文字があった。

気が済んで引き返し、帰り道の途中でも初めて行く公園に立ち寄り、

それから山を下りてきた。

 

少し足をのばせば、まったく違う景色がみえる。その景色と暮らす

人々の空気感もみえる。

私は冒険をするために生まれてきたんだった。 

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めのそとの

にどとあえないたにん

なげくまえに

にどとあえないわたしに

すなのようなぼうけんをあたえたい

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