収穫の匂いで月は満ちゆく

今朝は、昨日買った農家の卵を割ってみた。

まだ殻に小さい羽がくっついていたので、

洗って、そっと水気を拭いて

熱したフライパンの上に割り入れてみた。

うーん。

白身がひろがって、産みたてではなさそうな感じに少しショック。

気を取り直して最後まで目玉焼きを仕上げ、コショウとしょうゆをかける。

黄身は味が濃くて美味しかった。

朝から、栄養満点。ありがとう鶏さん。

 

昼間に銀行に行く。ATMでは小銭は引き出せないので、

前から引き出したいと思っていた端数分を窓口で引き出してもらう。

でも、久しぶりに窓口に行くので、印鑑がいることを忘れて

家までいったん取りに帰った。再度出直して、無事に引き出した。

何百円かでも私のお金。満足げに銀行を後にする。

私は今の持ち物を把握したかった。

 

夕方、散歩に出る。

夕日は今日はオレンジっぽくて、線香花火のさいごのほうみたいだった。

沈んだ後は、ももいろの夕焼けがいつまでも残った。

田んぼ沿いの道を歩いていると、高くまっすぐのびる野草に目が留まる。

つぼみが黄色っぽくて、これから花が咲きそうな気配。

たしかこれは毎年秋に、黄色い細かい花を咲かせる植物。

とにかく高い。私の背丈を優に超え、180センチくらいあったんじゃないかな。

人間とおなじくらいの存在感。

帰って調べてみると、たぶんセイタカアワダチソウという野草。

 

今日は懐中電灯を持ってきたから、日が暮れても大丈夫。

帰る途中、自転車に乗った小学生の男の子とすれ違い、

こんにちはか、こんばんはと、はっきりした声で向こうが先に

いつもしているかのように当たり前に、挨拶してくれた。

私は、すがすがしい気分で、すぐ返事した。

顔がよくみえない時間帯だったけれど、

一日のおわりに、朝のようにさわやかな挨拶もいいものだ。

 

満ちていく月が南東の空に浮かんでいる。

秋の月はなんだか、不思議な気持ちになる。

涼しい風が吹きながらも、穀物の甘い香りで、収穫の景色に似合うように膨らむ。

物悲しい月にもみえる。

 

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涙は、泣けるときに流しておこう。

私が救えるたった一人の私のためなら、どれだけでも泣いていい。

心の中の、ジャッジや比較競争が出ていったら即幸せかと思いきや、

それはそれで虚無感があるのは不思議だね。

何十年も無意識にずっとやってたことを、

急にやらなくてよくなったら、代わりに一体なにをすればいいのか、

わからなくなるものだね。

まっすぐで無垢だから心は。

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